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あ い さ つ
広島西部木材同業組合
組合長 村上 寛
 2020年は56年ぶりに東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。それに先駆けて昨年11月、2000立米の国産材を使用した国立競技場が完成しました。外観を覆う軒びさしは全国47都道府県から集められた杉や地域材が使われておりコンセプトである 「杜のスタジアム」にふさわしいものです。また、有明体操競技場は「木の器」のコンセプト通り競技者に優しい、木材の特徴を生かした設計がなされ2300立米の国産認証材が使用されています。オリンピック会場周辺の木造や木質系の建造物が大勢の方の目に触れ木材に注目が集まりコンクリートや鉄から木材へとシフトする動きは高まってくることでしょう。
 昨年は千葉県や長野県では台風19号による甚大な災害を被りました。オーストラリアでは乾燥と高温により北海道の面積を超える10万平方キロメートルの山林が消失しています。平均気温上昇による環境の変化は人類の生存を脅かす最大の課題になっています。木材は二酸化炭素を固定化することができる温暖化防止のための最適な素材です。環境に配慮したまちづくりに木材は欠かせないものとなってきています。
 一昨年「広島県産木材利用促進条例」が広島県議会において全会一致で可決されました。広島県で生産された木材製品を木造住宅だけでなく公共建築物にも利用を促進し木造化、木質化を高めることが目的です。 広島県木材組合連合会は新しく建設されるサッカースタジアムの木質化に向けて菅野会長が率先して活動しています。廿日市は木のまちと言われています。 木材をふんだんに用いたまちづくりを広島西部木材同業組合としても行政と協力して推進していく所存です。       
 平成30年の木材の総需要量は丸太換算で8247万立米でした。 そのうち国内生産量は3020万立米で木材自給率は平成23年から8年連続で上昇し36.6%となりました。しかしながら、 用材の需要量は55万立米減少しており増加要因は122万立米増加した燃料材によるものとなっています。
 2019年に生まれた子供の数は86万4000人と 1899年に統計を取り始めてから初めて90万人を下回りました。少子化は予想を超えて進んでいます。将来、 労働者の数は激減し住宅着工件数も伸び悩むことになります。 しかしながら、「伐って、使って、植えて、育てる」木材の循環利用は地方創世のためにも地球環境のためにも必要なことです。我々木材業に携わる者は我々の仕事が世のため人のためになるという気概をもって結束して木材の需要と価値を高めていきたいと存じます。